【GCDF】①GCDFおよびGCDF-Japanの概要
- ◆GCDFの概要
- ◆GCDF-Japanのコンピテンシー
- ◆キャリアとは?
- ◆キャリア・ディベロップメントとは?
- ◆キャリアカウンセリングとは?
- ◆キャリア・ガイダンスとは?
- ◆ キャリア・プランニング・プロセスとは?
- ◆ キャリア・プランニング・プロセスの事例
◆GCDFの概要
GCDFはGlobal Career Development Facilitatorの略称で、日本語に直訳すると「全世界でのキャリア・ディベロップメント(発達・開発)の促進者」となる。GCDFは「個人のキャリア・ディベロップメント支援をする職業に従事する人のための資格」として、1997年に米国で始まった。
◆GCDF-Japanのコンピテンシー
以下の記事を参照
◆キャリアとは?
「キャリア」という言葉を辞書でひくと職歴、経歴、生涯、生き方などと訳されているが、キャリア・ウーマンという言葉を広辞苑でひいてみると「熟練した知識や技術を持ち第一線で働いている女性」を意味しており、職業という言葉では表現しきれない意味も含まれている。
GCDFでは、『個人が生涯を通じた職業(職業経歴)選択に関わる活動・態度と、「働くこと」にまつわる自由時間、余暇、学習、家族との活動などを含んだ個人の生涯にわたる生き方(ライフスタイル)のプロセス(過程)』と捉えている。
したがって、キャリアカウンセラーは、クライアントの「生き方(ライフスタイル)」そのものを扱う職業。
◆キャリア・ディベロップメントとは?
キャリア・カウンセラーは、キャリア・ディベロップメントの支援をする職業ともいえる。キャリア・ディベロップメントとは、キャリアの発達・開発の様をいい、日本の心理学やカウンセリングなどの専門家の間では「キャリア発達(キャリア開発)」、「職業発達」あるいは「進路発達」という訳語をあてている場合もある。これは、知的発達や身体的、情緒的、社会的発達と同様に、人間の発達の一側面として、職業的発達があるという考え方に基づいている。
GCDFでは「キャリアアップ」「キャリアダウン」という言葉を使わない。クライアントが「ダウン」や「アップ」という言葉を使った場合、どういう意味で使っているのか、そこにはクライアントの価値観がどのように反映しているのかを意識しながらきく必要がある。
◆キャリアカウンセリングとは?
キャリアカウンセリングとは、上記のキャリア・ディベロップメントを援助するためのもの。「職業選択だけでなく、進学もふくめた、さらに人が職業生活を送っていくうえで関連するあらゆる問題」を対象とするカウンセリングのこと。
一般的に、キャリアカウンセリングは最も難しいカウンセリングと言われている。カウンセラーの面接技術だけでなく、さまざまな情報、現実社会の様子を知っていなければならないし、問題解決までの期間が決められていることが多いため。
◆キャリア・ガイダンスとは?
キャリア・ガイダンスは、日本では「進路指導」と訳されてきた。GCDFでは、「個人が自己理解を深め、労働界や教育界の様々な可能性や余暇活動などへの知識も広げ、自分なりの生活設計をするのに必要な意思決定能力を身に付けていくことを援助する活動」と定義している。
欧米諸国のようにカウンセラーが専門職として確立している国々では、キャリア・ガイダンスこそがカウンセラーの重要な任務になっている。
◆ キャリア・プランニング・プロセスとは?
キャリア・プランニング・プロセスとは、クライアントがキャリアに関する意思決定をする際に経ると考えられる過程を指し、具体的には「自己理解(Self)」「選択肢に関する情報収集(Option)」「統合・意思決定(Match)」「目標設定・行動(Actionc)」のプロセス。
クライアントは、必ずしも順番に、このプロセスを進めるわけではない。選択肢を吟味することなく意思決定を行う場合もあれば、選択肢に関する情報を集めた後で自分に関する情報を集める場合もあり、そのプロセスはとても複雑で、一概に述べられるものではない。
しかし、キャリアカウンセラーにとってはこうした枠組みがあることで、「クライアントが今、このプロセスのどの部分にいるのか」といったことを考えることができ、必要な支援内容を検討する手がかりを得やすくなる。
◆ キャリア・プランニング・プロセスの事例
<キャリア・プランニング・プロセス>
(例)就業決定の場合に行うこと
【自己理解(Self)】
⇒職業への興味関心、自分の価値観、抱えている問題などに関する情報を収集する。
✔:いかに関する情報を収集する
- 興味関心
- 価値観
- スキル(テクニカル/トランスファラブル/セルフマネジメント)
- 適性
- パーソナルスタイル
- 学習スタイル
- 好ましい職場環境
- 個人にとっての現実(例:育児の必要性や家計など)
- 役割
- 将来の希望や目標
【選択肢に関する情報収集(Option)】
⇒職業・仕事を調べるなど、就職の可能性などに関する情報を収集する。自分が取り得る選択肢に関する情報を収集する。
✔:いかに関する情報を収集する。
- 職業や仕事内容
- 経済動向
- 採用動向(倍率)
- 職業につくための要件(必須とされるスキルや学歴など)
【統合・意思決定(Match)】
⇒可能性の確認、自分にとっての価値の評価などによって、長期・短期の選択肢を選ぶ。
✔:いかに関する情報を収集し、選択する。
- その選択肢を取った時に起こり得ること(望ましいことおよび望ましくないことなど)
- その選択肢を取る際に障害となること
- その選択肢をとるにあたって必要な準備
【目標設定・行動(Action)】
⇒目標を設定し、目標達成のために必要なステップを考え、行動に移す。
✔:いかに関することがらを考え、行動する。
- 得られそうな協力や支援
- 目標達成にあたって考慮しておくべきこと
【GCDF】GCDF-Japanとして必要最低限のコンピテンシー
- 1.キャリア・ディベロップメントに関する理論・モデル
- 2.ヘルピング
- 3.キャリア・アセスメント
- 4.法律とGCDFとしての倫理
- 5.多様な人々(特別なニーズをもつ人々)との協働
- 6.労働市場情報・キャリア情報(LMI)とその情報源
- 7.テクノロジー
- 8.エンプロイアビリティ・スキル(EMP)
- 9.クライアントおよび同僚のトレーニング
- 10.キャリア・ディベロップメント・プログラム(CDP)のマネジメント
- 11.プロモーションと広報活動
- 12.コンサルテーションを受ける
- 13.ストレスマネジメントとメンタルヘルス
- 14.ファイナンシャル・プランニング
1.キャリア・ディベロップメントに関する理論・モデル
キャリアに関する各理論・モデルを理解している。
2.ヘルピング
カウンセラーとしての基礎的態度を有し、カウンセリングの6ステップ・プロセスとスキルおよびその理論的背景を知っている。
3.キャリア・アセスメント
クライアントにとって適切なアセスメントトレーニングを理解、利用できる。フォーマルアセスメントは発行元ガイドラインに従い実施利用する。
4.法律とGCDFとしての倫理
GCDF倫理基準を理解し、それに従うことができる。また現行の労働関連法規を理解していること。
5.多様な人々(特別なニーズをもつ人々)との協働
さまざまなニーズをもつグループや集団の特別なニーズを理解し、サービスを提供する。
6.労働市場情報・キャリア情報(LMI)とその情報源
労働市場や職業情報とその傾向を理解している。最新の情報源を活用する。
7.テクノロジー
最新のテクノロジーであるコンピュータ(PC)やインターネットを活用する。
8.エンプロイアビリティ・スキル(EMP)
就職・転職活動手法やクライアントが雇用されるための能力開発を援助する。
9.クライアントおよび同僚のトレーニング
クライアントがキャリアゴールを達成するためのトレーニングプログラムを開発する。そのプログラムを活用して、同僚のGCDFやクライアントのトレーニングを実施する。
10.キャリア・ディベロップメント・プログラム(CDP)のマネジメント
様々な組織(各サービス機関)や専門家と協力しながら、クライアントのキャリア・ディベロップメントを促進するプログラムを開発・運営することができる。
11.プロモーションと広報活動
キャリアに関する研究会・事例研究会の計画、実践など、キャリア・ディベロップメント・プログラムのマーケティングとプロモーションを行う。
12.コンサルテーションを受ける
定期的に専門家(カウンセラー、研究者、スーパーバイザー、コンサルタントなど)と相談する。
※以下、日本で追加されたもの
13.ストレスマネジメントとメンタルヘルス
ストレスとこころの病気に対する理解を深め、クライアント支援に役立てる。
14.ファイナンシャル・プランニング
クライアント支援の幅を広げる「お金」の知識を身につける。
<確認用>
1.●●●●●
キャリアに関する各理論・モデルを理解している。
2.●●●●●
カウンセラーとしての基礎的態度を有し、カウンセリングの6ステップ・プロセスとスキルおよびその理論的背景を知っている。
3.●●●●●
クライアントにとって適切なアセスメントトレーニングを理解、利用できる。フォーマルアセスメントは発行元ガイドラインに従い実施利用する。
4.●●●●●
GCDF倫理基準を理解し、それに従うことができる。また現行の労働関連法規を理解していること。
5.●●●●●
さまざまなニーズをもつグループや集団の特別なニーズを理解し、サービスを提供する。
6.●●●●●
労働市場や職業情報とその傾向を理解している。最新の情報源を活用する。
7.●●●●●
最新のテクノロジーであるコンピュータ(PC)やインターネットを活用する。
8.●●●●●
就職・転職活動手法やクライアントが雇用されるための能力開発を援助する。
9.●●●●●
クライアントがキャリアゴールを達成するためのトレーニングプログラムを開発する。そのプログラムを活用して、同僚のGCDFやクライアントのトレーニングを実施する。
10.●●●●●
様々な組織(各サービス機関)や専門家と協力しながら、クライアントのキャリア・ディベロップメントを促進するプログラムを開発・運営することができる。
11.●●●●●
キャリアに関する研究会・事例研究会の計画、実践など、キャリア・ディベロップメント・プログラムのマーケティングとプロモーションを行う。
12.●●●●●
定期的に専門家(カウンセラー、研究者、スーパーバイザー、コンサルタントなど)と相談する。
13.●●●●●
ストレスとこころの病気に対する理解を深め、クライアント支援に役立てる。
14.●●●●●
クライアント支援の幅を広げる「お金」の知識を身につける。
【GCDF】⑧キャリア・アセスメント
キャリア・アセスメントは、クライアントに関する情報収集や、クライアント自身の自己理解に役立つ。
◆キャリア・アセスメントとは
アセスメントとは、
「何かを査定、評価すること」
「現状をありのままに把握すること」
キャリアカウンセリングにおけるアセスメントとは、
「クライアントやキャリアカウンセラーが、何らかの手法を通してクライアント自身について理解を深めること」
クライアントは、より自分らしい「自己実現」を目指して日々を過ごしている。しかし、具体的なキャリアプランを立てるとなると、難しいのが現実。不安にかられて判断できる状況でなかったり、疲れ果てて考えることさえできない状況にいるクライアントもしばしば。そのような時に、現状の把握やある種のヒントを与えてくれるのが、いくつかのアセスメント手法。「自己理解」をクライアントに促してくれるもの。
✔:フォーマル・アセスメント
日本では主に「標準テスト(Standardized Tests)」と呼ばれている。「ある理論に基づいて、測定目的に適した対象サンプルを統計的に適切に処理し、決められた方法で運営され標準化されたデータに基づいて結果が出てくるもの」。統計的に適切な処理をしていて、「信頼性」「妥当性」が証明されている。
✔:インフォーマル・アセスメント:フォーマル・アセスメントに分類されない手法。
※アセスメントツールを使用する際には、「何を測っているのか」を理解しておく必要がある。
◆フォーマル・アセスメントツール
フォーマル・アセスメントツールとは、ある理論に基づいて測定目的に適した対象サンプルを統計的に適切に処理し、決められた方法で運営され、標準化されたデータに基づいて結果が出てくるもの。
✔:パーセンタイル
ある限定された集団の中における自分の得点を、相対的な地位(順位)で表しているもので、パーセンテージ(百分率)で表記される。100人中の下から数えた順位を指す。
正規分布の特徴は、左右対称、中央に山があり、両すそがなだらかに広がっている。データがどのように分布しているか(散らばっているか)を示す。標準偏差とは、その個々の値の分布の散らばり具合について数字で示したもの(標準偏差は個々の値と平均値の差の2乗の平均の平方根をとった値)。標準偏差は、一般にSDという記号であらわされている。離れいてる程度を1SDや-1SDという言い方をすることもある。
✔:フォーマル・アセスメントツールの実施プロセス
信頼性、妥当性、バイアスの検証が必要。目的がはっきりとしていても、使用を検討しているアセスメントツール自体の信頼性、妥当性、バイアスについての一定の考察が必要。
・信頼性
心理検査における信頼性とは、測定結果の一貫性や再現性のこと。信頼性を測定する方法には、再検査法、平行検査法、折半法がある。
・妥当性
キャリアカウンセラーは、実施しようとしているアセスメントの質問事項や手法が、クライアントの状態を踏まえて検討した測定目的に合っているかどうかを考えることが大切。「心理検査における妥当性とは、本来測りたいものを測っているかということを表し、測定内容が測定目的を概念的・実証的に反映している度合い」を言う。妥当性には、内容的妥当性、基準関連妥当性、構成概念妥当性の3つの視点がある。
・テストバイアス
ツールを構成する質問や問題が、集団によって有利・不利な得点を与える傾向があるかどうかのずれをバイアスという。キャリアカウンセラーはクライアントが慣れ親しんできた文化や環境に照らし合わせ、適切なアセスメントツールを利用しなければならない。
◆インフォーマル・アセスメント
インフォーマル・アセスメントとは、フォーマル・アセスメント以外のアセスメント全てを指す。簡単に言うと、「形式化されていない、明確な手順・方法が決まっていない自由度の高いアセスメント」ということ。フォーマル・アセスメントと同様に、クライアントが仕事やキャリアに関してどのようなことを望み、どのようなことを望んでいないのかを知るための方法だが、フォーマル・アセスメントのように妥当性や信頼性が統計的に証明されていない点が特徴。
✔:インフォーマル・アセスメントの実施上の注意点
- 安易に実施せず、クライアントに役立つよう、明確な目的をもって実施する
- アセスメントを行うにあたり、クライアントの了解を得る
- キャリアカウンセラーが十分に理解した手法を選択し準備を行う
- 手法に応じて、実施中および実施終了後にカウンセリングを用いた話し合いをする
- キャリアカウンセラーの解釈が主観的になりやすいことに注意する
VPI職業興味検査(Vocational Preference Inventory)
VPI職業興味検査(Vocational Preference Inventory)
160の具体的な職魚に対する興味・関心の有無を回答させることにより、6種の職業興味領域に対する個人の興味・関心の強さを測定するとともに、あわせて個人の心理的傾向を5領域について把握しようとするものである。そして、本検査は、大学生等に対する進路指導や就職ガイダンスの用具として、職業との関わりにおいて自己理解を深め、望ましい職業的探索や職業選択活動を促進するための動機付けや情報を提供することを目的としている。
興味領域尺度
- R尺度/Realistic Scale:現実的興味領域
機械や物を対象とする具体的で実際的な仕事や活動に対する好みや関心の強さを示す。 - I尺度/Investigative Scale:研究的興味領域
研究や調査などのような研究的、探索的な仕事や活動に対する好み関心の強さを示す。 - A尺度/Artistic Scale:芸術的興味領域
音楽、美術、文芸など芸術的領域での仕事や活動に対する好みや関心の強さを示す。 - S尺度/Social Scale:社会的興味領域
人に接したり、奉仕したりする仕事や活動に対する好みや関心の強さを示す。 - E尺度/Enterprising Scale:企業的興味領域
企画や組織運営、経営などのような仕事や活動に対する好みや関心の強さを示す。 - C尺度/Conventional Scale:慣習的興味領域
定まった方式や規則に従って行動するような仕事や活動に対する好みや関心の強さを示す。
傾向尺度
- Co尺度/Self-Control Scale:自己統制傾向
自己の衝動的な行為や考えをどの程度統制しているかを示す。 - Mf尺度/Masculinity-Feminity Scale:男性ー女性傾向
男女を問わず、一般的に男性が好む職業にどの程度強い関心を持っているかを示す。 - St尺度/Status Scale:地位志向傾向
社会的威信や名声、地位や権力などに対して、どの程度強い関心を持っているかを示す。 - Inf尺度/Infrequency Scale:稀有反応傾向
職業に対する見方がどの程度常識にとらわれず、ユニークであるかを示す。 - Ac尺度/Acquiescence Scale:黙従反応傾向
どのくらい多くの職業を好んだかを示す。
興味領域尺度⇒各得点が高い人の特徴
- R尺度/Realistic Scale:現実的興味領域
・機械や物に対する関心が強い
・対人的、社会的出来事への関心は乏しい
・機会を操作したり、ものを作る能力に恵まれている
・対人接触が不得手で、それを必要とする仕事を好まない - I尺度/Investigative Scale:研究的興味領域
・抽象概念や論理的思考に強い関心を持つ
・合理的で几帳面であると同時に、内向的である
・物事を数理的に処理し、論理的に考え、解釈する能力に恵まれている
・知的にも、教育的にも要求水準が高い
・指導性や統率力はあまりない
・物事を1人で成し遂げることを好み、グループでの活動を好まない
・科学や芸術に対して高い価値を置く半面、社会的、経済的あるいは経済的問題に対してはあまり関心を持たない - A尺度/Artistic Scale:芸術的興味領域
・音楽、美術、文学などに強い関心を示す。
・独創性や想像力に恵まれている
・繊細で感受性が強い
・方にはまるのを嫌い、規則や習慣を重視せず、自分の感性や独自性を大切にする
・内向的で、自分や他社の感情に敏感なため、衝動的になりやすく、不安感が強い - S尺度/Social Scale:社会的興味領域
・人に教えたり、援助したり、人と一緒に活動するのを好む
・責任感が強い
・他者に対する洞察力に富む
・人に対し親切かつ寛大である
・さまざまな人と良好な人間関係を作ることができる
・人の気持ちを理解し、敏感に反応することができる - E尺度/Enterprising Scale:企業的興味領域
・新しい事業や計画を企画したり、組織づくりをしたり、組織を動かすなどの活動を好む
・権力や地位を重視する
・指導力、説得力、表現力に恵まれ、積極的で社交性に富む
・他人に従うよりも、自らリーダーシップを発揮して、新しい仕事を開拓していくことを好む - C尺度/Conventional Scale:慣習的興味領域
・反復的な事務的色彩の濃い活動を好む
・規則や習慣を重んじる
・さまざまな状況に対しても順応的、協調的である
・几帳面で、粘り強く、また自制心に富んでいる
・人との和を重んじ、属する集団を一つにまとめることを重視する
・人々の間に葛藤や混乱を起こさないように行動する
・自発的、創造的に行動したり、自己主張をして自分がリーダーシップをとるよりも、権威者の指示に従うことを好む
傾向尺度⇒各得点が高い人の特徴
- Co尺度/Self-Control Scale:自己統制傾向
・自己統制を必要とするような仕事や活動への関心が強い
・用心深く、慎重で、衝動的に行動することは少ない - Mf尺度/Masculinity-Feminity Scale:男性ー女性傾向
<男性の場合>
・男性的と呼ばれている仕事や活動を好む
・伝統的な性役割に対する同調性が高い
<女性の場合>
・伝統できな性役割にあまり関心がなく、また、とらわれない
・性役割より、個性の発揮に価値を置く
<男性でMfが低い場合>
・伝統的な性役割にあまり関心がなく、また、とらわれない。
<女性でMtが低い場合>
・伝統的な性役割に対する同調性が高い - St尺度/Status Scale:地位志向傾向
・社会的評価の高い仕事や活動を好む
・社会的威信や地位を重視する
・自身に満ち、情熱的で、社交性である
・表現力に恵まれている - Inf尺度/Infrequency Scale:稀有反応傾向
・一般に誰でも好む仕事にはあまり関心がなく、また自分を取り囲む社会の一般的価値観とはことなった価値観を持つ傾向がある
・対人的仕事とか社交的活動をあまり好まない
※低い場合は以下の傾向を示す
・社会的評価を重視する
・自分の能力やパーソナリティを肯定的に評価する
・要求水準が高い - Ac尺度/Acquiescence Scale:黙従反応傾向
・さまざまな種類の仕事や活動に対して、幅広い関心を持つ。
・自身があり、積極的で社交的である
ホランドの職業選択理論
「特定の職業環境にいる人には、類似したパーソナリティ特性とパーソナリティ形成史を示す者が多い」という経験法則に立って、次の4つの仮定を自分の職業選択理論の理論的枠組としている。
- 個人の行動は、その人のパーソナリティとその人をとしまく環境との交互作用によって決められる。
- 人間のパーソナリティは、現実型、研究型、芸術型、社会型、芸術型、社会型、慣習型の6つに分けられる。
- (職業)環境もパーソナリティと同様に、現実型、研究型、芸術型、社会型、芸術型、社会型、慣習型の6つに分けられる。
- 人間は、自分の持っている技能や能力が生かされ、価値観や態度を表すことができ、自分の納得できる役割や問題を引き受けさせてくれるような(職業)環境を求める。